地域社会との共創

私たちが目指す方向性
事業活動を通じて地域の暮らしや観光を支えるとともに、地域と協働で新しい魅力や価値を創出し、元気で豊かな地域社会の実現を目指します。
地域の交通を支える取組み
奈良県、京都府、和歌山県、関係市町村等と協議しながら広域な基幹路線を運行
奈良県地域交通改善協議会・京都府生活交通対策地域協議会・和歌山県生活交通対策地域協議会において、複数の市町村を結び、沿線の皆さまの生活交通や来訪者のアクセス手段として必要なバスとして広域路線29系統が「生活交通ネットワーク計画」に掲載されています。また、奈良県内で地域における基幹的な移動を担う19系統(地域連携コミュニティバス含む)については、「奈良県基幹公共交通ネットワーク計画」に掲載されています。これらの広域路線については、運行損の一部について、国および各府県からのご支援を賜りながら、路線の確保に努めています。

関係市町村等からの委託を受けてコミュニティバス、 デマンドタクシー等を運行
地域内の交通空白地等の輸送手段を確保するために、自治体が運営しているコミュニティバスやデマンドタクシーの運行を受託し、地域の公共交通ネットワークの維持確保に向けた取組みに参画しています。

地元自治体や観光施設、寺社仏閣等と連携したバスの運行
豊かな文化遺産と自然に恵まれ、多くのドラマが生まれたロマンあふれる奈良大和路の絶好のロケーションを気軽に巡っていただくために、地元自治体、観光施設、寺社仏閣等と連携し、快適・便利な臨時バスや定期観光バスなどを運行しています。

バリアフリー対応バスの導入
路線バスでは、ステップに段差がなく、高齢者、障がい者、妊婦、お子様、ベビーカーなどが乗り降りしやすいノンステップバスの導入を進めています。
また、貸切バスや空港リムジンバスでも、車椅子昇降用リフトを装備した車両の導入を進めています。
導入車両数(2025年3月末現在)
・ノンステップバス 428両
・車椅子昇降用リフト付バス 8両

移動等円滑化取組計画書および報告書の提出
「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づき、移動等円滑化取組計画書および報告書を毎年国土交通省に提出しています。
運転免許証自主返納支援制度の実施
高齢者の交通事故防止を目的に、各都道府県警察本部が実施する運転免許自主返納促進に向けた取組みに対する支援策として、運転免許証を自主返納し、運転経歴証明書をお持ちの65歳以上の方に対し、「奈良交通ゴールドパス(6か月券)」を2回(通算1年分のみ)無料で配付しています(ただし運転経歴証明書記載の住所が奈良県・大阪府・京都府の方に限ります)。

自動運転の実証実験への参画
レベル4自動運転バスは、労働力不足が課題となる中、移動ニーズに応えるために注目されている技術であり、当社は2020年以降、自動運転に関する技術を有する企業と共に県内での公道走行実験に向けた検討を進めてきました。2023年度は、奈良県「デジタル交通サービス導入推進協議会」の取組みとして、明日香村・三郷町で行われた、県内初となるレベル2自動運転バスの公道実証運行に参画し、ドライバー・遠隔監視の業務を行いました。
自動運転バスの実現には、車両だけでなく、道路・通信など多様な関係者の協働が必要となるため、今後も、沿線自治体や、関連企業・研究機関と連携し、社会実装に即した実験や、フィールドの拡大に対応し、地元交通事業者として検討に参画していきます。

サービスのデジタル化の推進の取組み
バスロケーションシステムの拡充
パソコン、スマートフォンから、バス位置情報、時刻や運賃なども検索できる「奈良バスなびweb」を導入しています。また、近鉄・JR奈良駅等の主要バス停には、主要観光エリアへのバス時刻案内、バス位置情報、バスのりば案内などの情報をタッチパネル式のデジタルサイネージでお届けするバス総合案内システムを設置しています。

フリー乗車券等の乗車券のモバイル対応
「奈良公園・西の京 世界遺産 1-Day Pass」などのフリー乗車券4券種をモバイルチケット化し、ご購入からご乗車までスマートフォン一つでご対応いただけるワンストップサービスを進めています。これにより、アプリ内でお支払いから乗車券発行まで完結するため、ご利用当日に窓口にお越しいただくことなくご購入いただけます。

定期観光バス「VR体感コース」の運行
奈良県内の魅力ある文化財や観光地を訪れる方に、奈良をより身近に、より楽しく観光いただくことで、地域の観光力向上と活性化の推進を目指して、2023年1月から定期観光バスの「東大寺・春日大社・興福寺・若草山」コース等においてVR技術を活用した観光サービスの提供を開始し、2023年12月には「大神神社と飛鳥めぐり」コース等にも拡大しました。

自動継続型金額式ICカード定期券『CI-CA plus』の販売
お客様の利便性向上と人流の活性化による沿線地域の経済活性化を目的として、新しい自動継続型金額式ICカード定期券『CI-CA plus』の販売を2023年3月から開始しました。 『CI-CA plus』は、「定期券に表示された金額までならどこでも利用できる」「パソコンやスマートフォンからいつでも申し込みできる」「1か月ごとに自動で更新できる」など、これまでの定期券にはないサービスが数多く付加されており、大変便利でお得な定期券となっています。

駐輪場でのWEB定期券の導入
城陽市内の駅前駐輪場2か所において、WEB定期券を導入し、キャッシュレス化や省人化を図っています。
クレジットタッチ決済の実証実験の実施
増加するインバウンド等のお客様の利便性向上を図るため、2023年4月から奈良市内循環線において、クレジットタッチ決済対応カードやスマートフォン等でバスに乗車できるクレジットタッチ決済(VISA)の実証実験を開始しました。さらに同年10月には使用できるカードブランド(JCB/American Express/Diners Club/Discover/銀聯)を拡大したほか、対象路線も六条山線、奈良法隆寺線に拡大しました。

「観光バスリモート案内システム」の導入
奈良をはじめ関西圏の観光の魅力度向上や地域の活性化を目指して、2024年5月から「観光バスリモート案内システム」を本格稼働しました。本システムは、バスガイドがいる基地局と観光バス車内をリモートで繋ぎ、1人のバスガイドが複数のバスを同時にご案内できるほか、バス車内のお客様が基地局のバスガイドとコミュニケーションを取ることもでき、これまでと変わらずご質問やご要望にもリアルタイムでお応えします。また、バス車内には修学旅行の学生と年齢が近い大学生等の交流ナビゲータが同乗し、立ち寄り先での先導や点呼など、ご案内以外の従来のバスガイド業務を実施します。

インバウンド対応の推進の取組み
ホームページの多言語化
外国人のお客様にもわかりやすく情報を提供するため、当社ホームページにおいて、英語、中国語(繁体・簡体)、韓国語に対応した外国語版ホームページを開設し、空港リムジンバス、定期観光バス、フリー乗車券、バスのりばなどを案内しています。
JR奈良案内所および近鉄奈良案内所での外国語対応
どの国の人も安心して奈良観光を楽しめるように、JR奈良案内所および近鉄奈良案内所で外国語(英語・中国語)対応をしています。

「奈良バスコンシェルジュ」のサービス開始
奈良県を訪れる外国人観光客の満足度の向上を図るため、2023年7月から新たなサービスとして「奈良バスコンシェルジュ」を配置しました。「奈良バスコンシェルジュ」は案内人の語学力と自動翻訳機を活用し、親切にバスに関する案内を提供することで、旅行者の安心で安全な奈良の旅をサポートしています。

地域貢献の取組み
地域の活性化の取組み
田原本町の「道の駅レスティ唐古・鍵」、宇陀市の「道の駅宇陀路大宇陀」、東吉野村の「ふるさと村」「やはた温泉」「たかすみ温泉」の3施設の指定管理者に指定され、地元地域の魅力や情報を発信し地域の活性化に取り組んでいます。

地産地消の取組み
三条坊では奈良県産ブランド牛の大和牛を使用した商品の提供を通して、地産地消に取り組んでいます。また、つくし八木、たまごの極み、道の駅レスティ唐古・鍵においても奈良県産食材を使用した商品開発および商品提供などに取り組んでいます。

地域の高校、大学および農園と共同開発した商品の販売および支援
道の駅レスティ唐古・鍵では、地元磯城野高校生徒が田原本産食材を使用して考案した「磯城野レスティバーガー」や地元農家の松井農園と近畿大学が共同開発した奈良県田原本産メロン「バンビーナ」を使用した「バンビーナジェラート」の販売を行い、地元地域と連携した販売支援に取り組んでいます。

特別支援学校の生徒たちが制作したアート作品の展示
道の駅レスティ唐古・鍵では、特別支援学校の生徒たちが制作したアート作品を展示し、作品を通じて地域の人々と交流が深まるよう生徒と地域社会をつなぐ取組みを実施しています。

地域の小中学校の社会見学・職場体験の受け入れ
地域の児童・生徒にバスの運行に関わる仕事に触れていただくことで、運転者や整備士等の職業に対する興味を持っていただくとともに、バスの役割や必要性などを理解してもらえるよう社会見学や職場体験を積極的に受け入れています。
バスの乗り方教室を開催
自治体や学校等と連携し、高齢者や小中学生を主な対象として、バスに安心して乗車いただけるようバスの乗り方教室を開催しています。

ひとり親家庭への支援
道の駅レスティ唐古・鍵では、認定NPO法人「おてらおやつクラブ」と連携し、ひとり親家庭へ「からこカフェ」でご用意したメニューをお得な価格で提供しています。
クリーンアップならキャンペーン「ふるさと美化運動」への参加
奈良の美しい郷土づくりを推進するため、親切・美化奈良県民運動推進協議会、「小さな親切運動」奈良県本部および奈良県等の主催で、毎年実施されているクリーンアップならキャンペーン「ふるさと美化運動」に、本社社員を中心とする有志が積極的に参加しています。

「いこか!ふるさとひよし祭り」等の開催
急速な少子高齢化が進む東吉野村において、「ふるさと村」を地域のシンボルとして、また多世代交流の拠点として位置づけ、地元住民、移住者、村外の方のネットワークを構築し、地域の伝統や暮らし・文化を次世代へ受け継いでいくことを目的に、当社と地域の方々が連携し、「いこか!ふるさとひよし祭り(まちゅり)」を2023年9月に開催しました。(2024年9月第2回を開催) また、2024年5月には、地域の活性化および持続化、村の関係・交流人口の増加を図ることを目的に、当社と地域の方が連携し、東吉野村の「ふるさと村」において、合コンイベント「トーキャンtalk&camp」を開催しました。

川上村「未来への風景づくり」事業における記念植樹の実施
創立80周年記念事業の一環として、川上村が各企業・団体と協働で進める『水源地の村「未来への風景づくり」事業』に参画し、2023年11月に川上村旧白屋地区において記念植樹を実施しました。

創立80周年記念「なら・バスボディアートフェス」ラッピングバスの運行
創立80周年記念事業の一環として、当社路線バス沿線に居住・通学される高校生以上の学生を対象に、路線バスの外装デザインを募集する「なら・バスボディアートフェス」を実施し、最優秀作品のデザインを路線バスにラッピングし、運行を開始しました。

交通安全横断旗の寄贈
創立80周年記念事業の一環として、当社事業とも関わりの深い「交通安全」の分野における地域貢献を目的に、2024年3月に交通安全横断旗2,000本を奈良県および各市町村の交通対策協議会に寄贈しました。また、これに合わせて、奈良県、奈良市、奈良県警察にご協力いただき、春の交通安全県民運動の式典の中で、交通安全横断旗の贈呈セレモニーを行いました。
