奈良交通創立80周年記念フォトコンテスト 夏

結果発表

たくさんのご応募ありがとうございました。

想定をはるかに超えるたくさんのご応募ありがとうございました。
選考にあたりましては、入江泰吉記念奈良市写真美術館 館長 大西 洋 様を審査員にお迎えして審査いたしました。

 

◆ 講評 ◆

奈良交通創立80周年記念「夏の」フォトコンテストにご応募いただいた皆様の作品を拝見し、一言で表すなら「感動」でした。写真には見る人の心に語りかける力がありますが、皆様の作品には、それぞれの独自の世界観や温かさが感じられました。情熱とセンスに溢れる作品が多く、皆様の今後の成長に大きな可能性を感じます。

特に印象的だったのは、日常の一コマを切り取ったような写真たち。ほんの小さな瞬間を大切に撮影した作品は、私たちの日々の生活に新たな色を与えてくれます。あたたかい光の中で微笑む人々、風に揺れる花々、静かな街角の風景...。これらはすべて、撮影者の方々が周囲に対して持つ愛情の表れではないでしょうか。

もちろん、写真を撮る際には技術的な面での挑戦も多いですが、ミスを恐れずにたくさん撮影を重ねることが上達への近道です。構図や光の扱いに少し気を配るだけで、写真の魅力はぐっと増します。練習を重ねることで、皆さんの個性がより際立った作品が生まれることでしょう。

このコンテストが、皆様にとって写真を楽しむきっかけとなり、今後もカメラを通じて世界を探求する旅が続いていくことを願っています。また次回のコンテストで皆様の成長した作品に出会えることを楽しみにしております。写真という素晴らしい趣味を共有できることに感謝しつつ、次回の素敵な作品との再会を心待ちにしています。

入江泰吉記念奈良市写真美術館 館長 大西 洋

「バスのある風景」部門

【優秀賞】
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plannet_street 様

その瞬間の人間性と、運転手のキャラクターを捉えている運転手のポーズは自然で、彼の仕事に対するプライドと幸福感が伝わってきます。柔らかな夕日の光がシーン全体に温かみを加え、背景のぼんやりとした人々が都市生活の活気を与えています。

構図に関しては、バスのフロント部分と運転手が中心に位置しており、視覚的にバランスが取れています。また、カメラに近い運転手に焦点を当てることで、背後のバスが彼の職業の一部として統合されています。光と影の扱いも優れており、運転手の顔と服に掛かる光が彼の表情と細部を際立たせています。

この写真は運転手の個性と彼の環境を巧みに結びつけ、視聴者に物語を語りかける力があります。全体的に見て、この写真は日常の一コマに深みと色彩を与え、見る者の心に残る作品です。

【入賞】
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yamamoto.toshinori 様

この写真は創造性と遊び心を感じさせる一枚です。ミニチュアのバスと実物大のセミの抜け殻を並べることで、日常とは異なるスケールの世界が表現されています。このようなサイズの対比は、視覚的なトリックを用いて、現実とは異なる視点を提供します。

(写真はシャローな被写界深度を使用しており、バスとセミの抜け殻に焦点を当て、背景をぼやけさせています。これにより、視覚的に主題に対する注目を強化しています。光は柔らかく、主題を自然に照らし出しており、暖かい雰囲気を作り出しています。)

構図的には、バスとセミの抜け殻が左から右へと視線を誘導する線を形成し、画面を通じて動きを作り出しています。この配置は物語を想像させるもので、セミの抜け殻がバス停で次の旅に出るかのような物語性を感じさせます。

全体的に、この写真は現実と創造の境界を曖昧にし、視聴者に異なる視点で物事を見る機会を提供しています。

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take_daily_photo 様

この作品は、生活感がありながらも自然の美しさをバックグラウンドに持つところです。晴天の下、山々の緑が鮮やかで、その青々とした風景は都市の生活と自然の調和を象徴しています。バスという日常的な交通手段が写真に動きを加えており、視覚的に興味深い要素を提供しています。

写真の構図は、バスがフレームの左側に位置しているため、均衡が取れていて、視線を自然と写真全体に誘導します。明るさとコントラストも適切で、日中の光がうまく活用されています。しかしながら、構図がやや平坦に感じられ、もし撮影角度を変えたり、バスと山々の関係にもう少し焦点を当てたりすることで、さらにドラマチックなショットになる可能性があります。

全体として、この写真は町の日常と自然の美しさを同時に捉えた、魅力的な一枚です。

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asukakkochan 様

この写真の特徴は、バスが移動する瞬間を捉え、日常の交通の流れを表現している点です。また、道路が画像の深さを加え、視線を写真の奥へと誘います。晴れた空とふわふわの雲は、平和で快適な日の雰囲気を演出しています。

全体として、とても良い試みで、穏やかな田舎の雰囲気を捉えるのに成功しています。これからもたくさん撮影を続けて、異なる構図や光の条件で実験してみてください。

「とっておきの奈良」部門

【優秀賞】
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yukimi.0120 様

この写真は、日本の奈良でよく見られる一幕を捉えています。奈良では、鹿が神の使いとされており、市内の公園や寺院周辺で自由に歩き回ることができます。ここでは、人懐っこい鹿が人間の手からおやつを優しく受け取る様子が描かれています。このやりとりは、奈良における鹿と人間の特別な関係を象徴しており、観光客にとっても地元の人々にとっても日常的な光景です。鹿は地域文化の一部であり、この共生の瞬間は、人と自然が調和する奈良の精神を反映しています。

鹿の表情は穏やかで、目には好奇心が溢れています。手から伸びる舌は、その繊細な動きと食べ物への憧れを伝えています。写真は被写体に焦点を合わせ、鹿の表情とその行動に視聴者の注意を集中させます。

色合いは自然で柔らかく、光の使い方がこの優しい瞬間を強調しています。シャープネスと露出はこの親密な交流を捉えるのに最適なバランスに調整されています。全体的に、この写真は人と自然の間の穏やかで美しい瞬間を捉えたものです。

【入賞】
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yukarin_89 様

この写真は、明るく平和な雰囲気を持つ美しいシーンを捉えています。二人の子供が神社の階段に座っており、周囲の環境と調和しています。日差しは画像に暖かみを与えており、自然な光が子供たちの顔を明るくしています。階段に刻まれた文字や石の獅子、神棚に置かれた供え物など、日本の伝統的な要素が豊富に盛り込まれている点が印象的です。

構図はとてもよく考えられています。前景のボケた部分が視覚的な興味を加え、子供たちと背景の間に立体感を生み出しています。彼らは自然にカメラを見つめており、ポーズは強制された感じがなく、自然体でありながらもカメラに意識している様子が見て取れます。子供たちの表情もリラックスしており、この場所が彼らにとって馴染み深い、または安心できる空間であることを伝えています。

写真全体の色調は温かみがあり、柔らかな陰影が豊かな質感を与えています。シャープネスとディテールは適切に保たれており、特に子供たちの服の質感や石の獅子の彫刻の細部までしっかりと捉えられています。全体的に、この写真は被写体の魅力を引き出しながらも、それを取り巻く文化的な背景を尊重している素晴らしい作品です。

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plannet.art 様

この写真は、都市環境の中で自然と建造物が共存する様子を捉えています。

写真の構図は、前景と背景を繋ぐ役割を果たしている道路を通じて、都市の生活の動きと静けさを同時に表現しています。色彩は鮮やかで、特に緑の色が目を引きます。自然の緑と建物の中立的な色が良いコントラストを生み出していて、都市風景の多様性を捉える上で効果的です。光の使い方も良く、自然光がシーン全体を明るく照らしており、写真全体に活力を与えています。

写真の技術的な面では、焦点がうまく調整されており、前景の自転車に乗る人々も、背景の建物もはっきりとしたディテールで捉えられています。露出とシャープネスも適切で、全体的にバランスの取れた写真です。

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pirocchi72 様

この写真は、古い石畳の道が中心に配置されており、暖色の街灯が柔らかい光を提供しています。雨上がりと思われる濡れた表面が光を反射し、道の質感とパターンを強調しています。道は門に向かって導いており、周囲の木々や壁によって囲まれた神秘的な通路を作り出しています。

構図は非常に強力で、石畳の道が写真の下部から上部にかけて視線を誘導し、門へと視覚的な流れを作り出しています。門は暗い背景に対して明るく照らされており、目的地への期待感を高めています。木々のシルエットが夜の空に対して美しいコントラストを生み出しており、写真に深みを与えています。

光と影の対比はこの写真の大きな特徴であり、街灯の光が周囲の暗さを引き立てています。写真の露出は光源の近くで明るく、周囲を暗く保ちながらも、門や石畳の細部をしっかりと捉えています。

技術的な側面では、夜間の低照度の条件下でシャープネスと明瞭さを保持している点が印象的です。写真は静寂と秘密を連想させる雰囲気を持ちながらも、親しみやすい光の存在が安心感を与えています。

総合的に、この写真は夜の静けさと道の導く先の未知を表現しており、視覚的にも感情的にも引き込まれる作品です。

審査員

入江泰吉記念奈良市写真美術館
館長 大西 洋
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【略歴】
1966年 | 東京都生まれ
1990年 | 青山学院大学卒業
2003年 | 芸術情報誌アーティクル 主宰
2012年 | インターネット写真専門書店「写々者 (shashasha.jp)」共同創業
2015年 | 写真集専門出版社 株式会社Case (ケース) 創業
2022年 | 入江泰吉記念奈良市写真美術館 館長就任